【世界のみどり】ドイツ、ラインラント・プファルツ州副首相・経済大臣レムケさんと会談

【報告】ドイツ、ラインラント・プファルツ州副首相・経済大臣レムケさんと会談

緑の党共同代表 長谷川平和


 7月11日(金)、私たち緑の党グリ-ンズジャパン(以下、緑の党)は、ドイツのラインラント・プファルツ州副首相、経済・気候保護・エネルギー・地域計画大臣エヴェリン・レムケさん(同盟90/緑の党、以下ドイツ緑の党)と交流の場をもちました。

 今回の彼女の来日は、昨年同州を訪れた「脱原発をめざす首長会議」の招待によって実現されたもので、日独両国のエネルギーシフトを促進させるために、脱原発に係わる国際連携と再生可能エネルギーや廃炉に関する技術交流を深めていくことを目的としたものでした。

 ドイツ大使館で行われた会談には、緑の党共同代表の長谷川平和、副運営委員長の漢人さん、前共同代表の須黒さんなど5名、ラインランド・プファルツ州からはエヴェリン・レムケさん、再生可能エネルギー転換の基本問題部担当顧問のクリスティアン・ゲーベルさん(社会民主党)、経済・気候保護・エネルギー・国土計画省事務局長のバーバラ・ホルンバッハさんが参加しました。

 エヴェリン・レムケさんは、90年代ハノーバー大学で経済学、そしてハーゲン通信制大学で経営学を学んだ後、企業コンサルタントとして活躍するなど、緑の党としては異色の存在です。「私は、ドイツ緑の党に所属する閣僚メンバーですが、州の環境大臣ではありません。経済大臣です。」と、彼女が行ったレセプション冒頭での挨拶にも、環境問題だけでなく、今や州の経済問題についても緑の党が重要な役割を果たしていることがあらわれていました。

 フランス、ベルギー、そしてルクセンブルクの国境沿いにあるラインラント・プファルツ州において、ドイツ緑の党は決して強い支持基盤をもっているとは言えません。同州におけるドイツ緑の党の得票率は常に4~6%台であり、2006年に行われた州選挙では議席を失ってしまいました。しかしながら、2011年5月、福島第1原子力発電所の事故後に行われた州選挙においては、緑の党が大躍進の15.4%の得票率を得て、社会民主党(SPD)と連立することにより、初めて州政府に参加するに至っています。会談では、お互いの緑の党の現況について情報交換した後、政党運営の難しい時期に、いかにして会員・サポーターのモチベーションを高めていくかについても話し合いました。同州緑の党が州議会の議席を失った2006年に、州支部幹事長に就任したエヴェリン・レムケさんは、とにかく各地を回り、コーチング、スポンサーの獲得方法、寄付の集め方に関するワークショップ、政策勉強会などを数多く行ったとそうです。また、情報発信方法、CI(コーポレート・アイデンティティ)の確立、専門家とのコラボレーションなど、党運営のプロフェッショナル化にも努めました。

 福島第一原子力発電所事故以降、ドイツ緑の党が大躍進を遂げた背景には、アクシデントだけではなく、こうした長年の地道な努力が基礎となり、地域の人たちとの信頼関係を築けていたからなのかもしれません。会談では、日本とドイツ緑の党の連携のあり方、そしてグローバル・グリーンズとしての連携のあり方にもテーマが及び、継続的な情報交換を今後も図っていくことが確認されました。